LP:SR-7015(Riverside)[JPN]
好み ★★★★★★★★★★
Recorded Live at The Village Vanguard;New York;6.25.1961
BILL EVANS,piano
SCOTT LaFARO,bass
PAUL MOTIAN,drums
Produced by ORRIN KEEPNEWS
Recording Engineer,DAVE JONES
Mastered by PLAZA SOUND STUDIOS
SIDE 1
1.My Foolish Heart
2.Waltz For Debby
3.Detour Ahead
SIDE 2
1.My Romance
2.Some Other Time
3.Milestones
やっぱり最初は『Debby』から。
もう何万回も聴きました。
最初のタッターンを聴いただけでヴィレッジ・ヴァンガードの小屋のなかに引き込まれちゃいます。
1曲目は『My Foolish Heart』
お客さんの咳払いも、(0'25" 0'50" 1'39" 3'41" 4'31")
グラスの重なる音も、(1'30")
地下鉄が通過する音も、(1'58" 2'56")
すべてが音楽の一部として予定調和的に心に響きます。
なんか、空気が暖かいんですよね。
安心するというか。
エヴァンス、ラファロ、モチアンは、めちゃくちゃ音楽に集中していています。
音が響いている空間が、明らかに日常から切り離された特別なものになっています。
これ、他のアーティストの作品やライブでもなかなか出会えない”瞬間”。
プロデュースの勝利かもしれません。
当日は5回のセットで計21曲録音していて、そのなかからこの6曲を選曲したこと、そしてこの順番に並べたこと。
ちなみに、
演奏曲順を変更してSIDE2の『Milestones』から逆にひとつひとつ針を落として聴いてみるわけです。
いかん! いかん!
「Debby」じゃない!
『Milestones』のあとに別の曲を聴かされる強烈な違和感。
『Waltz For Debby』に続いて『My Foolish Heart』では夜が終わらない。
まったく別の作品を聴かされた気分。
というわけで、
この曲を、この順番に、並べたことで「名盤」となったことが判ります。
ところで
今聴いているレコードはペラジャケ日本盤。1962年日本ビクター株式会社から発売。邦題は「ビル・エヴァンスの芸術」。
日本で初めて発売された「Waltz For Debby」です。
ジャケット裏に藤井肇さんの解説。初めて聴いた人はどんな感想だったのでしょうね。
「お客がおしゃべりしていて演奏を聴いてないじゃん」
「なんか、やたらベースが目立ってうるせーな」
「もっとアップテンポでガッツのある曲を聴きたい!」
初期のマスターテープから作られたであろうレコード。
ちょっとおとなしいカッティングですが音は瑞々しいです。
エヴァンス右側 ラファロ左側、モチアン中央やや左側。
全体に中央寄りです。
演奏後の拍手はすべてフェードアウト。
フォンタナ・レコード原盤をもとに製作されています。
Made and sold by FONTANA RECORDS under rights from INTERDISC S,A,
レコードのMatrix / Runout(内周の無音の部分)
A面「RLP-12-9399A 111 NL」
B面「RLP-12-9399B 111 NL」
レーベルには「MANUFACTURED BY COMPANY OF JAPAN LTD, YOKOHAMA-MADE IN JAPAN」
以前は中古レコード屋さんでよく見かけた日本盤ペラジャケですが、最近はホント少なくなりました。
でも、音が良いし安いので狙い目です。