1943~1964 Waltz For Debby

Waltz For Debby ベストの選出に悩む必要のないといわれるCDはどんな音?

投稿日:2020年9月15日 更新日:


CD:CAPJ-009(RIVERSIDE)[US]
好み ★★★★★★★★★★

Recorded Live at The Village Vanguard;New York;6.25.1961

BILL EVANS,piano
SCOTT LaFARO,bass
PAUL MOTIAN,drums

Produced by ORRIN KEEPNEWS
Recording Engineer,DAVE JONES

1.My Foolish Heart
2.Waltz For Debby
3.Detour Ahead
4.My Romance
5.Some Other Time
6.Milestones

ANALOGUE PRODUCTION社による1992年発売の24金ゴールドCD。
Mastering : Doug Sax at the Mastering Lab with tube electronics from the original master tapes.
ザ・マスタリング・ラボ(TML)のダグ・サックスによるリマスター。オリジナル・テープを使っています。

嶋護氏が『ジャズの秘境』で「ベストCDの選出に悩む必要はこれっぽっちもない」と太鼓判を押しているのが、これ。

CDをセットしてスタートボタンを押すといきなり「My Foolish Heart」が始まります。タッターンのはずなのにターン。第一音が欠けていてちょっとした違和感。
でも、それ以上に各楽器の音色のリアルさに感動します!
ピアノ右、ベース左、ドラムやや左。左右に大きく広がります。音揺れなしです。曲間はフェードアウト。
ピアノの音の立ち上がりの自然さ、シンバルの叩き加減による微妙な響き、これはちょっと凄いです!
「Waltz For Debby」の冒頭のピアノとベースのユニゾンには鳥肌が立ちます!
客の豪快な笑い声やグラスの音は意図的に抑えているのかも知れません。ほとんど気になりません。地下鉄の音もしっかり拾いますが、それでも音楽に没頭できる。
やはりラファロの歌心と自己主張がこのトリオの起爆剤。”伝えたい何か”を持っていない演奏はつまらない。テクニックではありません。”思い”。”俺の音楽に対する考えはこう!”という思いをぶつけあうから、演奏者も聴く側も、楽しい!
モチアンがスネアをブラシで擦る音がリアル。いくつかの再発盤では”あれ?スネアってこんな音だったっけ?”と首をかしげることがありますが、ここでは大丈夫。
「My Romance」最初のエヴァンスのソロで、小さく”キー、キー”という音を拾いますが、これはピアノのペダルの踏みかえる音では?とても生々しい。
モニカの「Some Other Time」も聴きましたが、こちらが本家。エヴァンスは内へ内へと深く沈みこんでいきます。好みの問題ですが、ここでのモチアンのシンバルはタイムキープに徹するあまり創造性に乏しく感じます。もう少し工夫が欲しかった。
あっという間に「Milestones」。もう何万回も聴いてきたのに、毎回感動!

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