1943~1964 Undercurrent

Undercurrent この東芝盤CDは異常!

投稿日:2020年8月10日 更新日:


CD:CP32-5187(UA)[JPN]
好み ★★★★★★★

Recorded at New York;4.24/5.14.1962

BILL EVANS,piano
JIM HALL,guitar

Produced by ALAN DOUGLAS
Recording Engineer,BILL SCHWARTAU

1.My Funny Valentine
2.I Hear a Rhapsody
3.Dream Gypsy
4.Romain
5.Skating in Central Park
6.Darn That Dream

さあ、CDの時代に突入です。1986年発売の東芝CP32-5187です。

『Undercurrent』の不満は、「なんでこんなにNarrowな音なんだ?」
平坦で、ピアノに霞がかかっちゃっています。これは録音技術の影響なのか。

1986年製東芝CP32-5187をプレーヤーにセットします。
Playボタンを押します。
最初に驚くのは、「ブーン」という低音。エアコンの音? やったらリアルな空間。
何だ?
何だ?
何だ? 

エヴァンス右、ホール中央。ギターに若干のエコー、ピアノの低音が広がる。「低音にキレがある」のではなく、とにかく、「重い」。ヘッドホンで聴いていると、低音域の音圧で耳が痛くなる。

この録音は異常です!

2020年1月に発売された本『ジャズの秘境:嶋護』で紹介されたことがすべての始まりでした。

嶋さんの著作はいつも刺激的。この本に出合ったことによって『Undercurrent』の聴き方がまるっきり変わりました!

「当時のレコード・カッティング技術と機材では、高音も低音もバッサリと切り捨てるしか選択肢はなかった。その結果、バランスを致命的なまでに失った音が残るのは必然だった。」

レコーディング・エンジニアはビル・シュワルトゥ(Bill Schwartau)。ピーター・ポール&マリーの初期アルバム3枚を録音したことで有名。
後にアルコール依存症となりスタジオの仕事を続けられなくなって最後はホームレスとして生涯を終えたという。

この東芝CP32-5187は、シュワルトゥが残したマスターに、最も近い音!
かつ、最も異常な音!

エヴァンス&ホールの演奏を堪能するには、あまりにも特異な「記録」!

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